青に透けた肉塊

君は変人に憧れている常識人だった。

懺悔の詩

あの頃は毎日毎時間毎分毎秒、罪を犯していた。あまりに他人の呼吸を奪いすぎて、自分が苦しくなるくらいに。僕が殺してきた人は、傷を付けてきた人は今も僕を恨み続けているだろう。しかし何も感じない自分が愉快で、滑稽で、ケラケラと笑っていた。そして…

ブログお引越し

しました。よろしくお願いします。 https://aoniku.hatenablog.jp/

もろもろ

背中に羽根は生えてこない、天変地異は起こらない、願うだけでは叶わない、人間は誰かなくして生きていけない、そんなことに最近気づいたんだ。大人になってからずいぶん時間が経って、気づいたんだ。太陽は必ず昇るとか、恋に恋をしないとか、全ての物事は…

なんでもいいから、溢れるままに書いてみようと思った。 簡潔は伝わりやすい、率直であると心を動かす、比喩的に書けばまわりくどいが面白さが増すだろう、感情表現は想い、意志、優しさ・・・。文章は、絵画と音楽の性質や特徴を含有し、きわやかに具現化す…

詩う

わたくしはわたくしは指折り数えて待つようになりましたお前をお前を断ち切ってはばたくその日をわたくしはわたくしは永遠の愛を誓いましたお前とはお前とは姿形も中身も違うある独りの阿呆へ生きているのか死んでいるのか楽しいのか悲しいのかわからないか…

起死回生

小説「盆地」を書き終えたのは昨年の今頃だったか。私は生活や環境に感化され、ずいぶんと人間が変わってしまった。カッターで削っていた鋭利な鉛筆の束は埃をかぶっているし、棚の奥にある原稿はもう色褪せてしまっているだろう。いや、まさか。色褪せてい…

青に透けた肉塊

美しい小説を書きたい。しぼりたての牛乳を注いだ女の身体、すりたての墨汁を流したショートカットの髪、柔らかな草、さらさらと指の間から落ちる新湯、窓辺で午睡する老猫……。音も匂いも風もない、過ぎ去ってゆく一瞬を描いた、この世のどこにもない美しい…

告白

**様 啓蟄が過ぎ、日に日に暖かくなっています。近所の桃はもう満開で、若葉を伸ばしている枝もあります。 窓外から見える桜の木はまだ咲いていないでしょうが、きっともう直ぐです。けれどもあなたは、今は、あすこにいない。そう思われます。 あなたと出…

所感

どんなことにも意見が分かれる夫婦の元に生まれた子供は幸福だろう。意志さえしっかりしているならば、異なる主張を客観的に見つめながら、自分で考えて選択する力を育める。柳に雪折れなし。百家争鳴に立ち止まって耳を傾け、見聞を広げることは大切だ。多…

未完/擱筆 小説「翌る日は」

翌る日は(未完)自分の寝息のはずみが、耳の奥底からゆっくりと耳朶へ近づいてくるように聞こえ、レースカーテンの網目から漏れる光のような、細かな眩しさをまぶたの裏に感じて、聡子は朝に気づき、目を開けた。寝床である和室の障子は、朝の日差しをふっく…

独り言。(ペンネーム変えました)

「恥を認める」。これをできる人は、なかなかいない。1000人中1人くらいではないかと私は予想している。私が今まで出会ってきた人、せいぜい80人くらいで、そのうちそれを、自然に、性格の根底からできていた人は、たった一人であった。つまり、80人中1人の…

小説「盆地」

盆地調えられた口髭をふっくらと繁らせた老爺のボーイが、国浩のテーブルへ恭しく料理を運んできた。化粧板の円形卓に慎重な挙措で皿を揃えて、前歯を全く見せずに必要な説明だけを玲瓏な声で申し上げると、にこりともせず厳粛に厨房へ引き下がっていった。…

小説「風呂」

風呂手のひらを合わせてそっと押すと、ドアはばちんと軽やかに開いて、よろけた私はつま先でステップを踏みながら浴室に入った。だれかがさっきまで使っていたのだろう、タイルを敷き詰めた床には水滴がいっぱい散っていて、私のはだかの足の裏に冷たく吸い…

芸術、とは、まずひき比べないこと。

私は人と話すとき、だいたいうつむいている。それか全く不自然な方をじっと見つめながら、顔だけは表情豊かに話している。目が合わせられない。どういった風にすれば自然体なのか、意識しすぎて逃げてしまいたくて、まともに人の顔を見れない。今、こうやっ…

小説「ホーム」

ホーム右腕が突然じわりと熱さに痛んだ。見るとスーツの袖が湯気立ち黒く、ぼとぼと水滴を落としている。ツンと鼻を刺すにおいはコーヒーだった。阿佐子は立ち止まって後ろを振り向き、コーヒー缶を片手におもての褪めた青年が立ちすくんでいるのを認めた。…

喜ばしたいよ。

芸術はわがままな方がいいなあ。固定観念は、いらない。人類の発展のように忙しく、生まれたての子猫のように自由でいい。君が好きだって書こう。緻密な緑色のカエルの艶やかな光沢のなめらかにしなる脚の筋力を、書こう。大声で叫びたくなるほど辛いと書こ…

小説「そして」

そして 「分けてほしいな」ひとつぶの掠れた言葉は、木戸の下唇をふるわして消えた。透けた日光が幾重にも帯をゆらしていた。美穂が暮らす六畳一間の洋室には、窓にカーテンがかかっていない。衣紋掛けにいっぱいワンピースを吊るして、それでそとから入る色…

全く同じ動作なんてひとつもないんだって。

映像のような文章を、書く。 文字を読んでいるのに、見えているのは一枚一枚の写真。被写体は繊細に、なめらかに動いている。 黒の背景がいい。黒は、何にも余計なことを思わせない。ただジッとして、表面はいつもすべりやすくなっている。 少女を映したい。…

鶏とたまごとビッグバンだったらとりあえずビッグバンが先だね。

人のブログを購読したことも、ブログを書いたこともないから、ブログを辞典で引いた経験も勿論ない。ブログという存在と無縁で生きてきた。私はブログの本当の意味を知らないから、己れをブログマスターだと名乗る人が目の前に現れて、「ブログとは、マヨネ…