青に透けた肉塊

君は変人に憧れている常識人だった。

2018-03-11から1日間の記事一覧

小説「盆地」

盆地調えられた口髭をふっくらと繁らせた老爺のボーイが、国浩のテーブルへ恭しく料理を運んできた。化粧板の円形卓に慎重な挙措で皿を揃えて、前歯を全く見せずに必要な説明だけを玲瓏な声で申し上げると、にこりともせず厳粛に厨房へ引き下がっていった。…