そして 「分けてほしいな」ひとつぶの掠れた言葉は、木戸の下唇をふるわして消えた。透けた日光が幾重にも帯をゆらしていた。美穂が暮らす六畳一間の洋室には、窓にカーテンがかかっていない。衣紋掛けにいっぱいワンピースを吊るして、それでそとから入る色…
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