青に透けた肉塊

君は変人に憧れている常識人だった。

2017-06-16から1日間の記事一覧

小説「そして」

そして 「分けてほしいな」ひとつぶの掠れた言葉は、木戸の下唇をふるわして消えた。透けた日光が幾重にも帯をゆらしていた。美穂が暮らす六畳一間の洋室には、窓にカーテンがかかっていない。衣紋掛けにいっぱいワンピースを吊るして、それでそとから入る色…