青に透けた肉塊

君は変人に憧れている常識人だった。

もろもろ

背中に羽根は生えてこない、天変地異は起こらない、願うだけでは叶わない、人間は誰かなくして生きていけない、そんなことに最近気づいたんだ。大人になってからずいぶん時間が経って、気づいたんだ。

太陽は必ず昇るとか、恋に恋をしないとか、全ての物事はつながっているとか、そんなモノを今までは大切にしていたんだけれど、つまらなくなることが時々ある。立ち止まって客観視するより、僕は前へ進んでいきたい。自分にしか見えない道を。

目標がある。できないことをできるって言わない、恐れず怠けずていねいに生きる、どんな人も尊敬する…挙げて数う可からず。いい人になりたいって未だに思っている、気づけてはいるんだ、いい人ってなんだろう。

好きな人がいて、その人は持病のナルコレプシーですぐに寝てしまう。ベッドに入るとおおかた眠る。可愛い姿をよく天使のようって言うけれど、僕は天使を見たことがないからあまりわからない。もしも何かに形容するなら、純粋無垢な子のように可愛らしい。

好きって言葉は伝えづらくて、心臓の奥から舌の上までゆっくりしている間にくるまってしまう。それでも心から明瞭な声で、澄み切った気持ちで言えた時に僕はすごく幸せになれる。きっとその人も。