青に透けた肉塊

君は変人に憧れている常識人だった。

懺悔の詩

あの頃は毎日毎時間毎分毎秒、罪を犯していた。あまりに他人の呼吸を奪いすぎて、自分が苦しくなるくらいに。僕が殺してきた人は、傷を付けてきた人は今も僕を恨み続けているだろう。しかし何も感じない自分が愉快で、滑稽で、ケラケラと笑っていた。そして死にたかった。土下座をして願っても、僕を殺してくれる人はいなかった。僕が殺してきた人はたくさんいるというのに。


幾星霜なんて馬鹿げた表現はしない。だが、少しだけ時間が経過した。僕は重罪をピンと伸ばした背筋の裏に隠して生きている。当たり前のように奪った笑顔を顔に付けて笑っている。


「ありがとう」「優しい」「大好き」「丁寧だ」「面白い」「頭がいい」「優しい」「優しい」


…………「優しい」…


誰かの声がずっと聞こえていた。ふと顔を上げると、周りの人たちが笑っていた。その人たちは、いつも当たり前にいる仲間で、家族で、知り合いで、僕のことを考えてくれている。
涙が出てきた。僕は犯罪者。僕は前科持ち。僕は皆を欺いていて、僕はハリボテの誰かの笑顔しか作れないというのに。それなのに。


それなのに?


はて僕が殺してきた人は、傷を付けてきた人は、今は幸せなのだろうか。僕の罪はいつになったら償われるのだろうか。