青に透けた肉塊

君は変人に憧れている常識人だった。

2018-01-01から1年間の記事一覧

所感

どんなことにも意見が分かれる夫婦の元に生まれた子供は幸福だろう。意志さえしっかりしているならば、異なる主張を客観的に見つめながら、自分で考えて選択する力を育める。柳に雪折れなし。百家争鳴に立ち止まって耳を傾け、見聞を広げることは大切だ。多…

未完/擱筆 小説「翌る日は」

翌る日は(未完)自分の寝息のはずみが、耳の奥底からゆっくりと耳朶へ近づいてくるように聞こえ、レースカーテンの網目から漏れる光のような、細かな眩しさをまぶたの裏に感じて、聡子は朝に気づき、目を開けた。寝床である和室の障子は、朝の日差しをふっく…

独り言。(ペンネーム変えました)

「恥を認める」。これをできる人は、なかなかいない。1000人中1人くらいではないかと私は予想している。私が今まで出会ってきた人、せいぜい80人くらいで、そのうちそれを、自然に、性格の根底からできていた人は、たった一人であった。つまり、80人中1人の…

小説「盆地」

盆地調えられた口髭をふっくらと繁らせた老爺のボーイが、国浩のテーブルへ恭しく料理を運んできた。化粧板の円形卓に慎重な挙措で皿を揃えて、前歯を全く見せずに必要な説明だけを玲瓏な声で申し上げると、にこりともせず厳粛に厨房へ引き下がっていった。…

小説「風呂」

風呂手のひらを合わせてそっと押すと、ドアはばちんと軽やかに開いて、よろけた私はつま先でステップを踏みながら浴室に入った。だれかがさっきまで使っていたのだろう、タイルを敷き詰めた床には水滴がいっぱい散っていて、私のはだかの足の裏に冷たく吸い…

芸術、とは、まずひき比べないこと。

私は人と話すとき、だいたいうつむいている。それか全く不自然な方をじっと見つめながら、顔だけは表情豊かに話している。目が合わせられない。どういった風にすれば自然体なのか、意識しすぎて逃げてしまいたくて、まともに人の顔を見れない。今、こうやっ…